旅人気分で路地裏探検4

ここから北へ大宮通は裏通りになる。四条付近は呑屋や商店が並ぶがそれもほんの一部だけで、ほどなく民家が軒をならべる通りに変わる。蛸薬師通まで来てここを右に折れて東向きに進めていこう。勝手気ままな路地裏探検も幾つかのパターンがある。しっかりテーマを決めてその予定地を通過する。ゴールだけは決めておいてそこまでは適当に進む。まったくなにも考えず放浪する。ざっとこの三種に大別されようか。今回は京都駅スタートで四条烏丸が目的地と決まっていた。目的地と残り時間、体力を考えるとそろそろ四条烏丸へ向う方へとここで進路を変更したわけだ。路地裏探検も慣れてくると体力と持ち時間で大体のその日の割り振りが判ってくる。コースの決め方でよく採用するのが周辺部から都心へ歩いていくコースである。なぜなら帰りの交通の便。最終地での次ぎの予定など実用面からそのほうが合理的である。また探検的興味も鄙から都へ町が段々洗練されていく様子を見るほうが面白い。


その意味でもこの蛸薬師はなかなかその変化に富んで楽しい通りだ。東西の通で西から東へ向う場合そのターニングポイントは京都の場合は堀川通辺りになる。まだ田舎臭さが残る千本から大宮を越えて幅の広い大路堀川を越えるとじょじょに都心の香りがしてくる。鄙から都への変化とは木造が鉄筋になるとか、町屋がビルに変わるとかそんな単純な物ではない。その違いはデティールやマチエールなど細部へのこだわりである。町がもっている肌触りとでもいえるかも知れない。だからどちらかいうと足元にその違いを感じることがある。それはなにもブロックと大理石、あるいはトタンと本檜板塀などのような貧富の差でもない。時間だけが育てることができる材質にしみこんだ品と呼べばよいだろうか。だから車で走ったのでその微妙な差を見出せる物ではない。歩いて五感が感じる空気間といえる。例えばそれは室町あたりの商店の出入り口に敷かれ沢山の靴に踏まれ続けてピカピカに光り輝く鉄板であるとか、毎日乾拭きをされて妖艶な肌つや放つ仕出屋の玄関引き戸の格子などがそうである。いくら贅沢な素材でも造っただけそのままになっているのは単なる成金趣味で田舎者のすることだ。普段使いの物でもセンスある人が使えば輝くのである。そういうものが都会的デティールと呼べるのである。そしてその都心的センスの中心地は大丸のある四条高倉から寺町辺り通なら四条通か錦市場辺りが中心の様に思える。

そうこう思いながら足元に注意をしながら歩いていると空也堂、京都市特別養護老人ホーム「本能」そして旧北國銀行京都支店を経て烏丸通に到着して本日の路地裏探検の終点にたどり着いた。

面白い古都研究所
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by kac-web | 2005-12-30 16:08
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